素材の味を活かした蒸し物も簡単!スチコンでの蒸し物調理のコツとは?
スチコンはスチーム(蒸気)を出せるため、「蒸し物」の調理が可能です。
また、スチコンでは庫内の温度を1℃ずつ温度制御できます。
そのため、一般的な蒸し器では失敗しやすかったり、コツが必要だったりする蒸し物調理も容易におこなえるのです。
今回はスチコンで蒸し物調理をするメリットや、調理の際に押さえておきたいコツをご紹介します。
スチコンで蒸し物をおこなうメリット
スチームが使えれば、料理の幅が広がりますよね。
以下では、スチコンで蒸し物をおこなうメリットについて紹介します。
卵料理に「す」が入らない
茶碗蒸しやプリンなどの卵料理は加熱しすぎると「す」が入ります。
すとは料理にスポンジ状の穴が開いた状態で、固くぼそぼそとしており、食感が悪くなります。
すを発生させないためには蒸し器の中が100℃にならないようにする必要があるのです。85~90℃で設定をすることで、すが立たずに、きれいに卵が固まります。
しかしガス火の蒸し器では火加減が難しいため、調節するための人員が必要になります。
スチコンでの蒸し物調理では、庫内温度をコントロールして蒸すことができるため、すが入る心配はありません。
ほったらかしても失敗することがないので、その分労働力を削減することが可能です。
労働力や費用が削減できる
蒸し器に一度に入れられる材料の量は限られています。
場合によっては複数台の蒸し器を稼働させる必要があったり、時間差で何度も蒸し器を使うことになったりするでしょう。
スチコンを使用すれば一度に大量の野菜を調理できます。
そのため労働力・ランニングコストの削減に繋がるだけでなく、調理時間の短縮にもなります。
温野菜調理に便利
温野菜を作るときに茹で調理を行なうと、水に溶けやすいビタミンやミネラルなどの栄養素が茹で汁に溶け出してしまいます。
また、加熱しすぎることで野菜本来の風味や食感が損なわれたり、色落ちしたりすることもあるでしょう。
スチコンの蒸し調理で温野菜を作ると、水に触れないので茹でた場合より栄養素の損失が少なくなります。
また、野菜本来の甘味が残り、色落ちも少ないため野菜の色が綺麗に保てます。
▼コブサラダレシピ
大根やキャベツ等大きい野菜は本来蒸すのが大変ですが、スチコン調理では姿のまま蒸せるため、素材の味を引き出せます。
また、トマトや桃など崩れやすい青果も形を崩すことなく加熱できるため、皮むきも楽に行えるのです。
おこわや赤飯も調理可能
スチコンでは、おこわや赤飯も調理できます。
炊飯器や蒸し器では一度に1種類のおこわしか作れませんが、スチコンを使用すれば一度に数種類のおこわを作ることも可能です。
そのため味付けを変えたい場合や、塩分量を変えたいときなど、同時に調理できるので時短になります。
また、スチコン調理ではおこわや赤飯を焦がす心配もありません。
失敗によるロスを減らせるのも、スチコンを使用するメリットといえます。
▼赤飯レシピ
スチームモードの温度目安は?
スチコンではスチームの温度を細かく設定できるため、アルバイトの方や調理経験の少ない方も、簡単に高品質な調理ができます。
スチームモードの温度目安表は以下の表を参考にしてください。
低温スチーム(30~99℃) ※一部機種は50℃から | ●70℃:温泉卵 ●85~95℃:真空調理 ●85~90℃:プリン、茶わん蒸し |
スチーム(100℃) | ・基本的な蒸し物 (野菜、肉、魚ボイル、蒸しパン、しゅうまい、小龍包、肉まん) ・野菜や果物の湯むき ・茹で卵(半熟9分、少し固め12分、固ゆで15分) ・おこわ、餅つき用もち米など |
高温スチーム(101~150℃) | ●110℃:結露による水の付着を抑えたい蒸しパン ●120℃:マッシュする炭水化物の多い野菜のボイル (じゃがいも、さつまいも、かぼちゃなど) |
スチコンで蒸し物調理をするときのコツ
以下では、スチコンで蒸し料理をするときのコツについても紹介しています。
蒸し料理のコツを抑えて、おいしい蒸し料理を作りましょう。
1:温野菜
基本的にスチームモードの100℃を使用し、野菜の種類や大きさによって加熱時間を変えます。
加熱時間については以下の表を参考にしてください。
緑色の野菜(ブロッコリー、小松菜等) | 7分 |
根菜(人参、じゃが芋、蓮根等) | 15分(※1口大に切った場合) |
その他の野菜(キャベツ、白菜、椎茸等) | 10分 |
マッシュポテトなどをつくる場合、イモ類をスチコンで高温加熱することで、ほっくりと柔らかく仕上がります。
簡単にマッシュできるため、力を入れる必要はありません。
マッシュするイモ類は一口大にカットしてから、スチームモードの120℃で15分加熱してください。
灰汁のある野菜は塩分濃度2%の塩水に15分漬けてから、加熱を行なうようにしましょう。
ただし生たけのこは灰汁が強すぎるため、スチコンではなく鍋で茹でて下処理をしてください。
▼温野菜サラダ~特製ドレッシング~レシピ
2:蒸しパン
スチームモードの100℃を使用します。
カップで作る場合は10~15分、シートに流し入れて作る場合は20~30分程度加熱してください。
ただし、スチコンで蒸しパンを作ると結露の影響で蒸しパンがふやける場合があります。
気になる場合は下記のいずれかの対応をしてください。
- フタをして加熱する
(フタで熱をさえぎるので2割程度加熱時間延ばしてください) - スチームモードの110℃で加熱する
(高温蒸気を当てることで結露が起きにくくなります) - ホットモードの100℃で5分加熱してから、スチームモードの100℃で10分加熱する
(初めに蒸気の出ない加熱で表面を温めておくことで結露が起きにくくなります)
▼米粉のさつま芋蒸しパンレシピ
3:シューマイ
スチームモードの100℃を使用します。
皮の乾きが気になる場合は下記の対応をしてください。
- 皮を包む際に、皮を全てタネに密着させるようにつける
- 風量設定を最弱の「1」か「L」にする
- ひき肉は出来るだけ油の多い部位を使用する
- フタをして、加熱時間を2割程度延ばす
▼手作りシューマイレシピ
4:プリン、茶わん蒸し
スチームモードの85~90℃を使用します。
庫内の温度が上がりすぎないように調節できるため、すが入らずなめらかに仕上がります。
温度が低いほどなめらかになるので、料理によって調節してみてください。
ただし、中心温度を85℃まで上げなければならない場合は、90℃で加熱するのがおすすめです。
プリンや茶わん蒸しを調理する際のコツは、フタをして水滴を入らないようにすることです。
ホテルパンは65mmの穴あきを使用し、プリンカップを並べてからフタをします。
フタは20mmのホテルパンを代用しても構いません。
また、フタがしまらない場合やシートパンの場合は、アルミホイルやオーブンシートを乗せてから焼き網等の重石を乗せるとフタの代わりになります。
▼茶わん蒸しレシピ
5:湯むき
スチコンを使用すれば、わざわざお湯を沸かさなくてもトマトの湯むき処理ができます。
手順は以下の通りです。
- トマトのへたを取って、裏返し、十字に切り込みを入れる。
- 穴あきホテルパンに切れ込みを入れた面を上に向けるようにのせる。
- スチームモードの100℃、風量3で2~3分加熱する。
- 加熱後触れるほどに冷めたら、手で皮をむく。
スチコンであれば過加熱を防げるため、トマトの素材を生かしながら調理できます。
▼トマトの湯むきレシピ
茹でたまご
スチームモードの100℃を使用しましょう。
冷蔵卵をそのまま穴あきホテルパンにのせて加熱できます。
加熱時間は黄身の固さによって異なりますので、以下の表を参考にしてください。
半熟 | 9分 |
少し固め | 12分 |
固茹で | 15分 |
スチコンであれば、半熟のつもりが加熱しすぎてしまったというような失敗が少なくなります。
▼茹でたまごレシピ
スチコンでの蒸し物調理は簡単で素材を活かせる
いかがでしたでしょうか。
お伝えしたコツやポイントを押さえれば、スチコンで美味しく賢く蒸し物調理ができます。
スチコンは鍋や蒸し器とは異なり細かい温度調節ができるので、質の高い料理を作ることができるでしょう。
調理だけでなく湯むきやゆで卵づくりなどの下処理に使用するのも便利です。
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