コンビオーブンにも使える!スチームコンベクションオーブンの蒸気加熱の利点とは?

コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンを利用している方の多くが、効率良く美味しい料理を作りたいとお考えのことでしょう。

そこで今回は、コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンにおける蒸気加熱の利点について解説していきます。

コンビオーブンやスチームコンベクションにおける蒸気加熱の利点

コンビオーブンとは、コンベクションオーブンにスチーム機能を付けたオーブンのことで、スチームコンベクションオーブン、スチコンなどと呼ばれます。

通常のコンベクションオーブンでは、ファンが「熱」「熱風」を対流させることで、料理の加熱ができます。

対してコンビオーブンでは、「熱」や「熱風」を対流させる他にも、「蒸気(スチーム)」を対流させることで料理を加熱します。

では、蒸気の有無によって、料理においてどのような利点が生まれるのでしょうか。

蒸気加熱の利点はずばり“熱の伝わる早さ”

コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンにおける蒸気加熱(コンビモード)の利点は、食材に瞬時に熱を伝えやすいことです。

コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンでは、蒸気加熱を活用して、熱が食材に伝わる速度を早くすることで、食材への火の通り方を調整できるようになっているのです。

コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンが料理の幅を広げる!

コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンを使うことで、調理時間が削減でき、調理できる料理の量も増え、効率よく美味しい料理を作ることにつながります。

瞬時に熱を加えられるため、お肉や魚などの、食材の中までしっかりと火を通すことはもちろん、パンやケーキなどもふっくらと焼きあげられます。

また、少量の油で揚げ物を作るノンフライ調理も可能です。

蒸気加熱による熱の伝わる早さは、コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンにおいて、とても重要な役割を果たしています。

なぜ蒸気加熱では熱が伝わりやすいのか?

上図は、加熱方法によってどれくらい温度変化が起きるかをグラフ化したものです。

横線は時間を、縦線は温度を表し、図表右側のホットと書かれている項目は「熱風」のみで熱した場合、スチームと書かれている項目は「蒸気」で熱した場合、コンビと書かれている項目は「蒸気」と「熱風」を併用して熱した場合を表します。

このグラフの結果を見ると、蒸気を活用して調理をした場合、温度上昇率が瞬時に高くなることが一目瞭然ではないでしょうか。

では、なぜ蒸気加熱は、「熱」を入れるだけの方法よりも熱が伝わりやすいのでしょうか?

ここからは、熱の伝わり方である「伝導」「放射」「対流」の3つを紹介した後、蒸気加熱が他の加熱法よりも熱が伝わりやすい原理について解説します。

伝導・放射・対流について

「伝導」は私たちの生活で一番身近な加熱方法であり、高温の物体から低温の物体へと熱が伝わることを表します。

例を挙げるとすると、フライパンによる加熱が伝導にあたります。

「放射」は、電磁波によって物体に熱を発生させる方法です。

電子レンジや、炭火の赤外線による加熱などが放射にあたります。

「対流」は、簡単に言えば気体によって熱を伝える方法のことです。

コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンによる加熱や、鍋による加熱(茹でる)がこれにあたります。

空気中の水分量と熱伝導率の関係

コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンによる加熱は「対流」によるものですが、実は空気の熱伝導率は水などに比べると非常に低いため、加熱がゆっくりになります。

例えば、人間が100℃のお湯に触るとすぐに火傷してしまいますが、100℃のサウナであれば比較的耐えられるのはこのためです。

また、このことに関係して、空気中の水分量(水蒸気量、湿度)が高ければ、熱伝導率も高くなります。

例えば、やかんから出てくる蒸気に触ると火傷しますが、同じ温度のサウナであれば耐えられるのはこのためです。

そのため、コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンで蒸気量を増やすことで、熱伝導率を高められ、より早く美味しい料理を仕上げられるのです。

どれくらい熱の通りが早くなる?

上述の表で、熱風のみでの加熱で最も温度が高いものは「ホット270℃」であることが分かります。

「ホット270℃」で水5Lに熱を加えた場合、水が80℃に達するまでにかかる時間は、約17分半です。

では次に、蒸気と熱風を併用し最も温度が低い「コンビ120℃」を見てみましょう。

「コンビ120℃」では、「ホット270℃」よりも約7分半短い、約10分で80℃に達する結果となります。

なぜ蒸気を増やすと加熱が速くなる?

水1gの温度を1℃上げるためには、1calの熱量が必要です。

また蒸気を作るためには、100℃の水1gに、539calもの熱量を加えなければなりません。

要するに、蒸気で加熱するコンビオーブンには、539cal/gもの熱量を持つ蒸気が充満していることになります。

分かりやすくハンバーグの加熱を例に考えてみましょう。

蒸気が充満するコンビオーブンにハンバーグを入れると、蒸気がハンバーグに付着し水滴に変わります。

要するに、539cal/gの蒸気が1cal/gの水に変化し、ハンバーグが539calもの熱量を受けるのです。

大きな熱量を瞬時に受けることになるため、旨味を逃すことなく瞬時に食材を加熱することにつながります。

コンビオーブンを使いこなすポイント

コンビオーブンを使いこなすためには、コンビモードでスチームを活かすことが大切です。

焼き調理では、コンビモードで蒸気を入れて加熱することで内部にまで素早くしっかり熱を通せるため、外はカリッと中はしっとりと仕上げられます。

焼き縮みも少なく、見た目にも美味しく仕上がるためおすすめです。

蒸気加熱の利点を理解してコンビオーブンを使いこなそう

コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンの蒸気加熱には、食材に熱が伝わる速度を上げるという利点があります。

ですので、コンビオーブンやスチームコンベクションオーブンで調理する際には、蒸気加熱による熱の伝わり方を理解し、空気中の蒸気量を調節することが重要です。

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