サスティナブルを実現するスチコン(コンビオーブン)活用法1

近年、「サスティナブル」という言葉が注目されています。

サスティナブルは、日本語に訳すと「持続可能性」という意味であり、調理においてもサスティナブルの実現が求められています。

サスティナブルな調理の実現にはスチコン(コンビオーブン)が有効ですが、スチコンを導入すれば必ずサスティナブルになるというわけではありません。

今回の記事では、サスティナブルを実現するためのスチコンの活用法についてご紹介します。

スチコンでサスティナブルな調理を実現する活用法

サスティナブルな調理を実現するためにスチコンを導入される方は多いです。

しかし活用法を間違えてしまうと、どんなにスチコンの性能が高くてもサスティナブルな調理は実現できません。

そもそも「サスティナブルな調理」とはどのような調理なのかを理解したうえで、正しい活用法で運用することが重要です。

サスティナブルな調理とは?

サスティナブルな調理を実現するためのスチコンの活用法をご紹介する前に、まずは「サスティナブルな調理」とはどういった調理なのかを解説します。

サスティナブルな調理とは、

  1. 少ないエネルギーで調理できる
  2. 労力が削減できる
  3. 短い時間で調理できる
  4. 美味しく調理できる
  5. 安全安心に調理できる
  6. 誰でも調理できる

といった条件を満たすような調理のことを指します。

スチコンを導入している方は、自身の活用方法でサスティナブルな調理を実現できているかどうかチェックしてみましょう。

以下に紹介するようなスチコンの活用をおこなっている方は注意が必要です。

1. 予熱を放置

予熱を放置してしまうと、スチコンに大きな負担がかかり、余計なエネルギーが消費されてしまいます。

省エネにつなげるためには、いかに予熱を放置しないかが重要です。

2. 調理時間が長い

調理時間が必要以上に長い場合も、サスティナブルな調理にはつながりません。

加熱のしすぎは、料理自体の美味しさを損なうだけでなく、料理人の労働時間を長くする結果にもつながります。

必要以上に調理温度を下げないよう意識するなど、調理時間を短くするよう心がけましょう。

3. 芯温測定にサーミスタ式の温度センサーを使用している

芯温測定にサーミスタ式の温度センサーを使用している方は多いのではないでしょうか。

サーミスタ式の温度センサーは安価で入手できますが、その分、熱電対式の温度センサーに比べて長い時間がかかってしまいます。

つまり、料理人の労働時間が長くなるということです。

また、芯温計測する間に野菜が冷めてしまい、再度過熱しなければいけなくなってしまうといった状況になることもあります。

サスティナブルな調理の実現を考えると、初期コストがかかっても熱電対式の温度センサーを採用することをおすすめします。

スチコンでサスティナブルな調理を実現するためのポイント

サスティナブルな調理についてご理解いただけたところで、いよいよスチコンでサスティナブルな調理を実現するためのポイントについてご紹介していきます。

スチコンでサスティナブルな調理を実現するためのポイントは、大きく分けて以下の3つです。

  1. 蒸気量
  2. 調理時間
  3. 芯温測定

今回は、コメットカトウのスチコンを例に、蒸気量と調理時間に関するポイントをご紹介します。

ポイント1. 蒸気量

スチコン内の蒸気量が多くなれば、それだけ熱の通りが早くなり、調理時間を短くできます。

つまりサスティナブルな調理を実現するためには、蒸気量をなるべく多くして、調理時間を短くすることが重要ということです。

ですが、蒸気を利用するスチコンのコンビモードで行う一般的な焼き物は、「焼き色が付き難い」「焼き上がった時点で水が貯まる」といった問題が発生することがあります。

このような問題が発生するのは、食材の表面で結露が起こることが大きな原因です。

結露を防ぐためには、食材の温度に合わせて蒸気をコントロールする必要があります。

具体的には食材温度が低い焼き始めは蒸気量を絞り、食材の表面温度が上がったら蒸気を増やすことで、結露する水分の量を減らせます。

ホットモードからコンビモードのステップ調理をすると良いです。

また、魚などの焼き色を求める調理では、特に温度を高く短時間で調理するようにしましょう。

小さい切り身などの調理では、蒸気を加えないといった選択肢もあり得ます。

食材に合わせて適切に蒸気量を調整することが、スチコンでサスティナブルな調理を実現するためには重要です。

ポイント2. 調理時間

調理時間をできるだけ短くすることが、サスティナブルな調理では重要です。

例えば、電子レンジのような調理機器では、調理する食材の量に比例するように、調理時間を長くする必要があります。

では、スチコンのコンビモードでも同じように、調理する食材に比例するように調理時間を長くする必要があるのでしょうか?

答えはノーです。

実際にコメットカトウのコンビオーブンで、1/1ホテルパンに10℃の水を3L入れて、コンビモードの180℃の庫内で加熱し、90℃に到達するまでの時間を比較する実験をおこないました。(※1)

結果としては、ホテルパン1枚にかかった時間(8分)に対し、ホテルパン5枚(一段飛ばし)にかかった時間は約1.4倍(11分)、ホテルパン10枚(最大)にかかった時間は約1.9倍(15分)でした。

つまり、熱する食材の量が10倍になっても、調理時間はわずか2倍程度で問題ないということです。

実際にスチコンのコンビモードを使用される場合は、ホテルパン1枚で試し焼きした際にかかった時間の2倍を全段調理の目安時間として、なるべく全段調理をおこなって調理時間の短縮を図るようにしましょう。

(※1)使用機種:CSV-G10(10段スチコン) 、試験年月:2011年2月

スチコンを活用してサスティナブルな調理を実現しよう!

サスティナブルな調理の実現のためにスチコンを導入しても、活用法が間違っているとサスティナブルな調理を実現することはできません。

蒸気量と加熱時間をきちんと調整して、スチコンでサスティナブルを実現しましょう。

また、弊社コメットカトウの新型スチコンは新型バーナーと高断熱の採用で熱効率が大幅に向上しております。

このことにより、CO2排出の減少と更に繊細な調理を実現し、サスティナブルな調理の実現に貢献しています。

弊社のコンビオーブン・スチームコンベクションオーブン(スチコン)の購入を検討されている方は、ぜひ以下より詳細をご覧ください。

スチームコンベクションオーブン|株式会社コメットカトウ

また、弊社のスチコンが追求してきた加熱へのこだわりについては、以下の記事で詳しくご紹介しておりますので、こちらも併せてご覧ください。

【加熱の追求編】コンビオーブン・スチームコンベクションオーブンの進化